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日経平均リンク債とは?

投稿日:2017年8月4日 更新日:

 

2016年2月、日銀によるマイナス金利の導入に伴い日本の国債の利回りは軒並みマイナスとなりました。

日本の長期金利である10年国債利回りは一時-0.3%付近まで下落しましたが、2016年9月の日銀による長期金利の誘導目標(0%近辺)設定が発表されたことで少しずつ上昇。

その後アメリカ大統領選でトランプ氏の当選に伴う米金利の上昇に引っ張られる形で上昇を続け、足元ではプラス圏に回復しています。

とはいっても今なお日本においては金利がほとんどつきません。

銀行に預けておけばどんどんお金が増えるというのも今は昔。

銀行は金庫代わりです。

そのうえ銀行に万が一のこと(破綻など)があった場合、保証される預金は1000万円まで(ペイオフ)。

となると銀行預金において1000万円を超える部分については自身でリスクを選択すべきなのです。

※もちろん各々のリスク許容度に応じて自身の金融資産に占める銀行預金比率はいくらでも下げて構いません)

このような状況下で現在注目されているのが日経平均リンク債です。

日経平均株価連動債日経リンク債などとも呼ばれています。

商品の仕組みが複雑でネット上ではハイリスクな商品だと言われています。

ただ私はネットの情報だけを鵜呑みにして『ハイリスク!!やだ!!』なんていう人にこそ商品概要を正しく理解し、メリットとデメリットの両方を勘案した上で結論を出してほしいのです。

 

ネットで『こんな話聞いてない!』や『担当者がいいと言っていたのに騙された』というコメントをよく見かけます。

そのようにお思いになられた方は本当にそんな話聞いていなかったり、いい話しか聞かされていない場合がほとんどだと思います。

ただ目論見書や訂正事項分には商品に関することが事細かに書いてあります。

それらは受け取っているはず(未交付の場合、法令違反なので…)。

理解不足のまま、担当者に任せたままではいけません。

自分の大切なお金を預けるわけですから不明な点がある状態で投資してしまうことが間違いなのです。

以下では日経平均リンク債に関してのメリット、デメリットを紹介し、投資する上で有益な判断材料を提供できればと思っております。

 

日経平均リンク債とは?

まずは日経リンク債に関して、一般的な商品概要について確認してみましょう。

日経平均リンク債とは?

引用:日本証券業教会ー日経平均リンク債の特徴やリスクとは? より

なんとなく概要は掴めましたでしょうか?このページにたどり着いている方は商品概要はとうに理解しており、より商品の核心について訴求している方だと思いますので私からの説明は割愛します。

では、日経平均リンク債のメリット、デメリットをピックアップしてみましょう。

 

日経平均リンク債のメリット

・高い金利を受け取れる
・下落リスクを一定程度ヘッジできる

日経平均リンク債のデメリット

・普通社債(SB)に比べて元本毀損リスクが高い
・流動性が極めて低い

 

メリットに関して

高い金利を受け取れるのは債券の中にオプション取引といわれるデリバティブ(金融派生商品)が内包されているからです。

詳しい説明はいくらでもネットに出てますので、そちらを参照してください。

簡単にいうと、日経平均株価の上昇を放棄する代わりに一定の金利(正しくはオプションプレミアム)が受け取れる、でも下落分は100%被ってね、というのもです。

このオプションプレミアムを原資として日経平均リンク債は金利が支払われています。

下落リスクを一定程度ヘッジできる、というのはノックイン◯◯%というところです。

仮にノックイン価格が当初価格の60%だったとしましょう。

債券の条件設定日の日経平均株価を100%として、約39%までの下落であれば元本毀損は起こりません(発行体の信用リスクはありますが…)

40%以上下落することが一瞬でもなければ償還日には元本が満額で返ってくるわけです。

たとえ39%下落してその後ずっと横ばいであってもです。

同じ時期に日経平均株価を買ったらいつ売るかは自由ですが39%下落してその後ずっと横ばいであればマイナスのまま推移します。

こういった観点で見てみると、下落リスクを一定程度ヘッジできる商品であることは間違いありません。

デメリットに関して

普通社債と比べると元本毀損リスクは高いです。

元本は日経平均株価の推移に委ねられます。

一瞬でもノックイン価格を割ってしまい、満期までに当初価格に戻らなければ最終評価日の日経平均株価が当初価格の何%かによって償還元本が決まります。

一度でもノックイン価格を割り、最終評価日に当初価格の70%で日経平均株価の終値がつけば、償還日に返ってくる元本は当初の元本の70%、つまり30%も損して返ってきます。

下落リスクを一定程度ヘッジしてはいるものの、想定以上の下落に関してはもろに食らってしまうというのがデメリットです。

 

また流動性に関しても低いと言わざるを得ません。

大げさな話、一度ノックインしてしまった日経平均リンク債において、今の日経平均株価が当初価格の50%だとすると、債券の価格も半分になっているように感じられますが、いざ売却したいとなると話は違ってきます。

上記のようなマーケット局面では日経平均株価はさらに下がる可能性も否めません。

そうなると50%の価格であっても買い手がつかず、価格を大きく下げざるを得なくなる可能性があるのです。

その時の売却価格は元本の10%や20%と言っても大げさではないでしょう。

流動性リスクとは平たく表現すると『売りたくても買ってくれる人がいなければ売れない』というリスクです

このことからも、日経平均リンク債に関しては償還まで持つことを心に誓って投資すべき商品なのです。

※流動性の低さは上記の理由だけでなく、債券の解約に際して社債部分と内包されるオプションの分割後の清算など多岐に及びます。

 

おわりに

日経平均リンク債に関して、メリット、デメリットという観点からアプローチしてみました。

商品特性としてデリバティブを内包している分、説明に関しては非常に難しいのも事実です。

金融マンでも理解できていない方は多いでしょう。

だからこそ、投資家の皆様は自分の知識の拡充を図り、自分の資産は自分で守らなければなりません。

ここに書いた内容は日経平均リンク債のごくごく一部でしかありません。

質問等ございましたら私の理解の及ぶ範囲で答えますし、アドバイスを差し上げられたら幸いです。

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